事業継承により代表者が変わった場合の古物商許可の手続き
事業継承により代表者が変わった場合は古物商許可の手続きが必要。
社長が高齢になり、代替わり(事業継承)となる中小企業が増えています。古物を扱う事業を営んでいる場合、代表者が高齢により、他の者が代表者となる場合、古物商許可の手続きをする必要があります。
今回は、代表者が変わった場合にどのような手続が必要が見ていきましょう。
残念ながら、個人の古物商許可は他人が引き継げない!
大きく事業をしていても、法人化をしないで個人商店という形態で事業を行っている場合があります。
この場合、古物商許可は、代表者個人のものなので、他人にその許可を引き継がせることは出来ません。よって、代表者が変わればその代表者自らがまた、許可を取らなければいけません。
この場合、組織の形態を今まで通り個人商店のままで代表者を変える場合、新しく代表者となるものが、新たに古物商許可を取らないとダメです。
もし、代表者変更といっしょに法人化すれば、その法人で古物商許可を取ることになります。そうすれば、代表者が変わっても、新たな代表者になっても許可を取り直すことはありません。(ただし、変更手続は必要。)
法人の場合は、許可を新たな代表者が引き継げる。
法人が古物商許可を取っている場合、代表者(代表取締役)を変えて(高齢のため事業承継する等)新たな代表者となっていも、許可は引き継げます。(許可の書換申請が必要です。)
ただし、1つだけ注意すべきことがあります。会社法では、会社の代表者(代表取締役)になれないものの規定があります。(取締役の欠格事由)
それと同じように、古物商許可においても会社の代表者等(ここでは、代表取締役を含む役員)になれないものの規定があります。(欠格事由)
古物商許可の欠格事由については 「古物商許可を取ることができない欠格事由とは?」をご覧ください。
よって、新たに代表者となるものがこの「欠格事由」に該当する場合には、古物商許可を持って引き続き事業を行うことが出来ません。
まとめ
古物営業を営んでいる場合、事業承継のため事業の代表権を誰かに譲る場合には、以下のことを考慮して下さい。
- 個人商店(個人)で古物営業をしている場合、代表権を譲って新たなものが代表となる時は、そのものが古物商許可を取らなければならない。(古物商許可の新規申請が必要。)
- 個人商店(個人)の場合、法人化することにより、代表権を譲っても古物商許可を新たに取る必要が無くなる。(事業承継しやすくなる。)
- 法人の場合には、代表権を譲っても新たな代表となるものは古物商許可を引き継げる。(ただし、書換申請が必要。)
- 個人の場合は、新たに代表になって許可を取ろうとするもの、法人の場合は、代表権を引き継ぐもの、それぞれが古物商許可の「欠格事由」に該当しないものである事。
代表権を譲って事業継承をする場合は、古物商許可の見地からも、前もって計画が必要です。