自動車整備工場に古物商許可は必要なのか?

ジャッキアップされている自動車

突然ですが、町の自動車整備工場さんに古物商許可は必要でしょうか?

町の自動車整備工場さんは、お客様のお使いの自動車が事故にあった場合に修理したり、故障で修理したり、車検のお手伝いすることがお仕事です。よって、自動車修理等が、主な依頼です。

中古の自動車の販売を手掛ける自動車整備工場さん以外は、古物商許可をいらないのでは。

町の自動車整備工場さんは、古物商許可はいらないのでしょうか。

今回は、自動車整備業に古物商許可が必要か、検討しましょう。

必ずしも、自動車整備工場に古物商許可は必要ない!

自動車整備業を始めるために、公的機関からのお墨付きが必要です。では、古物商許可が必要なのでしょか?

結論から言うと、古物商許可を取っていなくても自動車整備業は出来ます。ただし、自動車整備業には、公的機関から認可等(認証等)を受ける必要があります。

しかし、自動車整備業をやっている場合でも、古物商許可が必要となるケースあります。

その古物商許可が必要となるケースとは。そのことをわかるためには、古物商許可の必要となる古物営業を理解することが必要です。

許可が必要か考えるサラリーマン

古物商許可の必要な古物営業を理解しよう!

まず、古物営業を理解する前の、「古物営業の古物とは何か?」、そのことを理解しましょう。

古物営業を定める「古物営業法」では、次のように定義しています。

古物営業法第2条第1項
この法律において「古物」とは、一度使用さてた物品(鑑賞用美術品および商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類するものをいう。)で政令で定めたものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたものまたはこれらの物品に幾分の手入れをしたもの。

よって、古物営業の「古物」とは、

  • 一度使用されたもの。
  • 使用されていなくても、使用する目的で取引されたもの。

次に、「古物営業」とは、古物営業を定める「古物営業法」には、次のように定義しています

古物営業法第2条第2項
この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。
  1. 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却することまたは自己が売却した物品を当該売却の相手から買い受けることのみを行うものいがい。
  2. 古物市場主・・・・・・(略)

よって、古物営業に当たるのは

  • 古物を売買する。
  • 古物を交換する。
  • 他人から古物の売買、交換をすることを委託(頼まれる)されて、売買、交換をする。

もし、自動車整備業をやっていく上で、今まで説明してきたことをする場合は、古物商許可が必要となります。

では、どんな時に古物商許可が必要になって来るのでしょうか?

こんな場合は、古物商許可が必要になってくる。

自動車整備工場では、お客様の自動車の整備・修理依頼が主なお仕事です。その自動車の整備・修理依頼の付随するいろいろなお仕事の中に、古物商許可の必要なケースがあります。

例えば、自動車の部品(タイヤや、ホイールなど)の交換、処分において、まだ使用可能なもの、リサイクルできるものが多くあります。

そのようなものを売却する目的で、依頼者から譲り受ける、買い取る、または粗品と交換してもらう場合、古物営業になり古物商許可が必要になります。

また、依頼者から買い取ったり、交換してもらったりしなくても、依頼者から売却してもらうことを頼まれた時も、古物営業に当たり、許可が必要です。

もちろん、中古車を販売する場合も古物商許可は必要です。

しかし、修理交換したものを、処分品として片づけただけ、依頼者のお返しするなら、古物商許可は必要ありません。(引き取った古い自動車を解体処分するには、別の許可が必要です。)

このように修理交換したものをどうするかによっては、古物商許可が必要となる場合があります。

そのようなケース以外でも、依頼者から処分を頼まれた不要品をリサイクル品として、売却したり、交換したりするようなことを事業として想定している場合は、古物商許可が必要です。

しかし、古物商許可を取るかは、十分な検討を!

自動車整備業には、自動車整備のみを考えているのなら、古物商許可は必要ありません。

しかし、自動車の整備にプラスアルファの経営価値を付けたいのなら、古物商許可を取って、他の整備工場さんと差別化を図ることも、一つの判断です。

古物商許可を取るにも、時間とお金が掛かります。(申請料や、申請に必要な書類を用意するため、仕事を休まないといけないことも。)

しかし、これまで説明したように古物営業をするようなことが考えられるのなら、古物商許可を取っておいた方が良いかもしれません。

町の自動車整備工場さんとして、事業の多角化を図るなら、古物商許可は取る選択も良いかも。

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