古物商及び古物市場主の守るべきこと②(取引の記録)
今回は、古物商及び古物市場主の守るべきことについての2回目。今回は、取引の記録について。
どんな商売でも、日々の取引については記録を残す必要があると思います。古物営業も例外ではありません。とくに、盗品が関わる可能性のある古物営業については、必ず取引の記録をし、それを法律で定める期間、保存義務があります。
取引の記録をどんな具合につけていくか、今回はこれを確認しましょう。
どんなことを記録するのか?
古物営業法では、以下のように規定しています。
古物商は、売買若しくは交換のため、または売買若しくは交換の委託により、古物を受け取り、または引き渡したときは、その都度、次に掲げる事項を、帳簿若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(以下「帳簿等」という。)に記載し、または電磁的方式により記録をしておかなければならない。(省略)
- 取引の年月日
- 古物の品目及び数量
- 古物の特徴
- 相手方の住所、氏名、職業及び年齢
- 相手の確認方法の区分
1、どんな取引が記録対象か。
取引の記録を残す必要があるのは、
- 古物の売買
- 古物の交換
- 古物の売買又は交換の委託
よって、古物を受け取った場合のみだけでなく、引き渡した場合も記録を残す必要があります。
2、なにを記録に残すのか。
帳簿等に残す内容は以下の項目です。
- 取引の年月日・・・取引が行われた日。(古物を受け取り、引き渡し日)
- 古物の品目及び数量・・・古物13種類のどれか、かつどのくらいの数。
- 古物の特徴・・・古物それぞれを認識できる特徴。(例えば、製造番号とか)
- 相手の住所、氏名、職業、年齢。
- 上記の内容を確認した方法区分。
3、記録をどのように残すのか。
取引の記録は、どのように残すのか。そのことについては、以下のような方法で残す必要があります。
① 帳簿(古物営業法施行規則規定のもの)
古物営業法施行規則に規定のある一定の様式のもの。基本的には、この帳簿に記録を残す取引があった都度、記録を残します。⓶ 記載必要のある項目を、営業所または古物市場ごとに取引の順にきさいできる書類
記録に残さなければいけない項目を営業所または古物市場ごとに記載でき、その記載する順番が取引の順番に記載できる書類。ここで大切なことは、取引の発生順に記録に残せること。⓷ 取引伝票またはこれに準ずる書類
取引伝票に残す場合でも、記録に残さなければいけない項目が営業所または古物市場ごとに記載でき、その取引伝票が取引の発生順にちゃんと綴られている伝票。ここでも大切なことは、取引の発生順に記録に残せること。電磁的方式による記録
この方法が、一番多いかも。パソコン、外部のメモリー(USB等)に記録させます。ただし、この場合も、記録に残さなければいけない項目が営業所または古物市場ごとに記録でき、取引の発生順に記録が残せる媒体。また、いつでも電磁的記録を、紙に印刷できる状態にしていることも必要。4、どのくらい記録を残さないといけないか。
上記のようにして、取引の記録を残した場合、その記録はどのくらい保存しないといけないか。
これについても、ちゃんと決りがあります。
ズバリ、3年間。ただし、記録に残した日から。帳簿等は、最終の取引の記録を残したときから、3年間。
電磁的方式により記録した時は、記録した時から3年間。また、その3年間はいつでも印刷できる状態にしておかないといけない。
まとめ
古物を扱う古物営業は、盗品を扱うリスクを負います。だから、取引の形態、取引の記録はしっかりと規定されています。
これから、古物商許可を取り、古物営業をしようとする方は、古物商または古物市場主として守るべきことをしっかり確認しましょう。